もどき大脱走

2003年の猫日記
毛 玉

猫奴隷失格ですよ

とうとう絶対にしてはイケないコトをしてしまった。というか、起こってはイケないコトが起こってしまった。

「もどきちゃん大脱走」

もどきちゃんは野良猫出身で、ウチの小心ヘボ猫サマたちとは育ちが違う。一旦外へ出たが最後、二度と戻って来ない可能性がエベレスト並みだ。いやよくわからん例えでスマン。

去年まで外で気ままな野良猫ライフを存分に満喫していたもどきちゃん。お腹が空いた時にだけウチに現れてはタダメシを喰らって行ったもどきちゃん。そのくせ全然触らせてもくれなくてサーヴィスの悪かったもどイヤ、この際恨み言はイイ。

そのもどきちゃんが再び広い世界へ出て行ってしまったのだ。

帰って来ないかもしれない。本当は家の中での窮屈な暮らしなんて望んでなかったのかもしれない。広い世界で自由気ままに生きていたかったのかもしれない。もどき、我が家での暮らしはふしあわせだったの?逃げ出してしまいたくなるほど窮屈だったの?

土砂降りの中、一所懸命もどきの名前を呼びながら探し続けた夜。雨の冷たさに、夜の暗さに、絶望感で目眩を覚えながら。「大丈夫、お腹が空いたら思い出して帰って来るから」と言ったおかんは、テラスにもどきのゴハンを用意して、夜の闇に目を凝らしていた。

夜中の2時にインターホンが鳴り響く。

「もどき、帰って来たよ!」

慌ててテラスを見に行くと、其処には1年前と同じようにお行儀よく足を揃え家の中を覗き込むもどきの姿が。

4時間の小旅行。

わずか4時間だ。たった4時間だ。しかしアタシにとってはとてつもなく長い時間だった。もどき、もどき、ちゃんと帰って来てくれたんだね。

 

しかしな。

 

家に入り込むなり一目散にゴハンに向かうって何事よ?