屍を超えて行け!

2002年の猫日記
毛 玉

飛び出しちゅうい

その猫は突然現れた。

車の運転中信号に引っ掛かりやむなく停まっているとその猫は車の前に立ちはだかった。

「此処を通りたければオレの屍を超えて行け!」

イヤさすがに屍にしちゃうのは如何なモノかと、車から降り猫を道路の脇に避け車に乗り込む。

「此処を通りたければオレの屍を超えて行け!」

運転席から見える光景は数十秒前となんら変わりない。変わっているコトと言えば、信号が青になったコトくらいだ。相変わらず猫は猛然と車の前に立ちはだかり、行く手を阻んでいる。

だから屍にする気はナイんだよと、再び車から降りさっきと同じように猫を避け車に乗り込む。

「此処を通りたければオレの屍を超えて行け!」

 

「…というワケで猫拾っちゃったんだけど、どうすればイイ?」

どうすればイイかと訊かれてもなぁ。とりあえずゴハンでもあげるがイイよ。

ツレが遭遇した珍事件。「生き物はなぁ…別れが辛いからイヤなんだよなぁ…」と言うツレの目尻は垂れ下がり、彼の視線は猫を捕らえて離さない。

そしてその猫はめでたく彼の「家族」になった…と思いきや、

今アタクシの家に居るんですけど、どうすればイイ?