鳴かぬなら

NO IMAGE

鳴かぬなら 殺してしまえホトトギス。

信長はその短気さと気難しさ故「あぁ、あのひとなら殺してしまいそうだよネ」という印象を与え、秀吉は好奇心旺盛故「あぁ、あのひとなら手の込んだことをしてでもなんとか鳴かせようとするだろうな」と思われ、家康は忍耐強いという印象から「あぁ、あのひとならのんびり待ちそうだよね」と評価されていた。ぽい。

ケキョケキョと鳴けばけたたましく鬱陶しいであろうホトトギスなど黙っていてくれることに越したことはないんだが、それを言っちゃったら松浦清に悪いので言わないことにスル。松浦清の随筆「甲子夜話」に載ってた川柳なんだYO!ホトトギスのやつ。無駄知識だけども。

鳴くと思っていたホトトギスが鳴かない。
いつ鳴くんだろうと見ていても鳴かない。
信長はブチ切れて殺しちゃう。
秀吉はなんかして鳴かせちゃう。
家康はただただ待ち続ける。

ワタシなら
「このホトトギスは鳴かないホトトギスだ」とおのれに暗示をかけ、「だって鳴かない種類のやつだもん。だから絶対鳴かないんだもん。待っててもしょうがないんだもん。」と言い聞かせ、「だったら籠の中に入れておいても無駄だよね?可哀想だよね?」と脳内会話を繰り広げ、籠の蓋を開けてホトトギスを空に放つ。

ホントは鳴くんだろうけど。
なんかすりゃ鳴くんだろうけど。

待てないわけじゃない。必ず鳴くことがわかっているのなら100年でも待つ。死ぬけど。でも鳴くかどうか、今の段階ではわからない。鳴かないかもしれないホトトギスに正念取られて「いつ鳴くんだろう」って気持ちでイッパイになって他のことが疎かになる可能性とか考えたら、今目の前に居るホトトギスには見切りを付けて次のホトトギスを探した方が効率がいい。

まぁ放った時点で次を望むかどうかは微妙だけど。

もう「鳴き待ち」なんてしたくないやい!って思ってむしろ最初から鳴かない生き物を愛でるかもしれないけど。蛇とか。ないな。

ワタシの前でホトトギスは鳴かない。撫でても、美味しい餌を与えても、籠の場所を変えても、鳴かない。きっと鳴きたくない理由があったんだろう。その理由を追求しても悲しくなるだけだ。きっと。

だからワタシはホトトギスを放つ。なかったことにしてしまえばいい。
でも繰り返し言うけどホトトギスの鳴き声はけたたましい。ケキョ。

2009.02.24